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注目掲載!日刊スポーツ新聞社による「新聞に載らない内緒話」


以下順次掲載予定 

 時の流れ  少女の背中  純粋な男たち  夏の再会  迎え火、送り火  取り戻すべきもの
 人は見かけに・・  消えた名前  一年ほど前から  携帯電話が鳴った  昭和28年に生まれた
 明治時代の俳人であり、  先日、知り合いの  大きくなったら何になりたい  夏。昔の野球場は
 地域格差  松橋さん、元気ですか  手向けの花  懐かしい味  今回は日刊スポーツ
 もうすぐバレンタイン(2007年版) あしたまたるるその宝船 どんと祭り さよなら 温泉小学校
 新入生諸君!  ささやかな幸せ

(2007年5月21日更新)

時の流れ

  夕方、仕事を終えて飲みに出る。さすがに寄る年波で、馬鹿な飲み方はしなくなったが、それでも毎日、どこかの町で一杯、やる。

  5月は神田祭、三社祭と大きな祭りが続く。縁あって今年も神輿を担ぎにいってきた。昔は担いでいるのか、飲んでいるのかわからなくなるほど、神輿と酒は付き物だった。長い道中、休憩を挟めば、その場が酒盛り会場で、飲み過ぎて神輿が上がらなくなる失態もずいぶん経験した。

  もっとも、この手の馬鹿騒ぎは近年、御法度で、路上での煙草、酒はすっかり見られなくなった。まぁ、これも時代の流れで致し方ないが、かつてを知る者としては少々、寂しい。それでも、神輿を収めれば天下御免で、居酒屋へ繰り込み酒を飲む。

  その昔、「あの札付き」と形容された連中も還暦を迎えて、「孫が可愛くてね」と相好を崩す。それでもひとたび神輿の担ぎ棒を見ると、年甲斐もなく突撃し、7歳ほど年下の私はハラハラしながら眺めている。がっしりした体格は往年を想像させるし、荒っぽい人生を送ってきたのであろうが、そんな風雲の時期を経たからか、みんないい「おやじ」になっている。

  先日、山谷へ久しぶりに出かけ、地元の飲み屋で一杯、やってきた。山谷という地名はすでになく、台東区と荒川区にまたがるこの辺りは「山谷地区」と呼ばれる。泪橋(なみだばし)という、日比谷線・南千住駅から近いここが、山谷地区の中心で、60年代にマンモス交番を中心に荒れた場所である。

  懐かしくて、お目当ての店の暖簾をくぐると、意外や閑散としている。がらんとした店内に数人、労働者たちが酒をあおっていたが、大声を上げることもなく(もっともこの店は昔から大声は禁止だったような気がする)、なんだか別の世界へやってきたような風情である。

  「まぁ、今時こんなものでしょう。景気もよくないしね」。

  連れが、この男もかつてのお祭り男だが、「ここも三社祭に神輿が出ているんだよな」とぽつり。なるほど一部は台東区に引っかかっているから、さぞ立派な神輿があることだろう。それにしても、夜更けの町並みに往年の輝き(というべきか)はない。

  道沿いに、コインロッカー屋があり、以前取材をしたものの、事情があって原稿化出来なかった。兄弟で店を経営しているのだが、「最近は荷物を取りに来ない人も多くなりました。木賃宿に泊まっても周囲が信用できないから、仕事の道具だけ預けて、消えてしまう人もいます」とのことだった。

  酔っぱらって、三ノ輪まで夜の町をあるいた。15分ほどの距離だが、道中、誰とも会わなかった。


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